マインドマップとガントチャートを連携するメリットを1年間試行した経験から語ります
マインドマップにはデメリットがあります。発想は広げやすい一方で、再現なく広がった発想が実現できないというものです。考えただけで満足するとも言えます。
ガントチャート機能があるマインドマップなら、考えたその流れのままで計画をたて、進捗管理まで行えてしまいます。これらはとても相性がよいツールだということが1年試してよくわかりました。
ガントチャートはマインドマップと合わせて使うと実行力が高まり、より短い時間でより多くのことを成し遂げることができる相性の良さがあります。
マインドマップとガントチャートの相性の良さ
マインドマップとガントチャートの相性が良い理由は、それぞれが受け持つ役割が被らず、互いが必要としている機能を相手が持っていて補完しあえる関係にあるからです。
得意領域と苦手領域がはっきりと分かれ、被らない
マインドマップは思考を広げ構造化するのが得意
マインドマップの得意領域は、
- 思考を広げること
- 各要素に関連性を見出すこと
- 入れ替え検討すること
- 足りないものを出し尽くすこと
などです。
見方を変えると実行のための完璧なタスクリストを最も早く作り出せるツールだとも言えます。冒頭でも書きましたが、そこで止まってしまうことが多いのが弱点でもあり、作成したタスクをいつまでにするか、今どのような進捗かまでは管理できません。マインドマップは概念のツールだからです。
ガントチャートは進捗を管理し日々評価する
一方で、ガントチャートは、個別のタスクに関連性を持たせたり進捗を細かく管理するのが得意です。
毎日どれだけ進んだのか遅れはあるのか関連するタスクはどれだけの時間を必要とするのか・・・ガントチャートにすると一目瞭然になります。
依存関係・・つまりどれを完了させれば次のレベルのタスクに取り掛かることができるかも手に取るようにわかります。
ガントチャートは実行のツール。
得意領域は被らない
マインドマップとガントチャート、得意領域は被りません。鳥の目と虫の目、頭と手足、計画と実行、思考と現実のような関係性だからです。
得意領域が被っているとデメリットが多く、たとえば学習コスト。習得時間が倍かかります。役割分担の曖昧さからくる心労コストも無視できず、脳内メモリも消費します。
それぞれの求める機能が片方にある
マインドマップは実行力を求める
やることがありすぎて動けないということはよくあると思います。
マーケティングのよくある題材で
雑貨店でジャムを24種販売していたが3種だけに絞り込んだら売り上げがUPした。
つまり「人は迷うと判断を保留して後回しにし、動かなくなる」。
というたとえ話がありますが、マインドマップで作成したタスクリストにもこれと同じことが言えます。やることが多すぎる、もしくは把握できる範囲を超えるとどこからスタートすればよいか、迷って動けなくなります。
それをガントチャートなら補うことが可能です。トピックそれぞれについてかかる時間・実行者・取り掛かるタイミングを設定していく「作業」から始められるためです。
ガントチャートは俯瞰を求める
ガントチャートはすでに見えているタスクの進捗管理に力を発揮します。ただし最大限に効果を発揮するには、漏れなくタスクを書き出せている前提が必要となります。
やるべきことが漏れていると予定すべてが台無しになり、上位トピックの締め切りにも悪影響を及ぼし、最終的に最上位トピックの「目的達成」が不可能になるからです。
これを補うのがマインドマップ。マインドマップは全体を俯瞰して足りない項目を書き出していくための手法だからです。
補完しあう効果である
マインドマップは実行力を、ガントチャートは実行に集中できる安心感を求めています。両者を活用すると、マインドマップで過不足なく抽出したタスクを構造化し、ガントチャートで時間を割り振り進捗を管理していく。途中で思いがけない計画変更があったときにはマインドマップに戻り全体像を見ながら練り直したうえでガントチャートで再度実行する。細部→全体・全体→細部へと移りながら作業を継続できるので、思考が途切れず時間が節約でき生産性の向上につながります。
デジタルのメリットが連携を支える
マインドマップ+ガントチャート+デジタルのメリットはいくつかあり
- ドリル
- 要素の連携
- トピックの移動
が特に強力です。
ドリル
ドリルは、特定のトピックに集中するための機能です。1つのトピックにのみ焦点を当てることができ、残りのマップに注意を払わずに集中することが可能になります。
※トピックは線などで囲まれたパーツ。
どんな広い範囲をマインドマップで管理していたとしても見やすいエリアにだけ集中することが可能。つまり見やすさを確保するためにファイルを分割する必要がなくなり、一元管理できます。
要素の連携
また、ガントチャートの所要時間を変更すれば、すぐに上位トピックの総所要時間に反映されます。上位トピックはさらに上のトピックに影響を及ぼしますが、これもすべて自動で行ってくれます。
マインドマップで全体像を見て、ドリルダウンして細部を確認、ガントチャートでタイムラインを把握する。個々の操作をしつつも全体像を見失うことがなくなります。
トピックの移動
デジタルならトピック移動も簡単に行えます。手書きだとスペースがなければ書き直となり、大変で無駄な作業です。
1日とに集中しすぎた仕事を別の人へ割り当てたり、カテゴライズをやり直したり、もよくあることですが、プロジェクトのボトルネックの把握が容易なので、締め切りを守りつつ各人の負担も増やさない、効果的な割り振りができます。
マインドマップとガントチャートは相性抜群
1年間、マインドマップ+ガントチャートの組み合わせを使ってみて実感しているのは、互いに弱みを補いあうベストな組み合わせだということです。互いの得意領域が重複せず、必要とする機能をカバーしあうことができ、デジタルの強みがそれらをさらに補強しているのが実感できます。
マインドマップ+ガントチャートはどんな人に向いているか
- 全体と細部を同時に見ながら進めていくプロジェクトを持っている人
- 全体像を見ないと落ち着かない人、点より線派
- マインドマップでアイデアを出しても実行がおろそかな人
- タスクやプロジェクトの関連性も視覚化したい人
には特に向いています。
★MindMaster→ https://www.edrawsoft.com/jp/mindmaster/