まだ2週間ほどの使用だが、あまりにも便利すぎて手放せなくなってきた。将来的に大化けする(もうしている)と思われ、なによりも使っていて楽しい。
『ClickUp』の特徴・利点・優位性
階層構造が理にかなっており、多層
アカウントを最上位として、基本的な階層が
ワークスペース>スペース>フォルダ>リスト>タスク>サブタスク>チェックリスト
の7階層になっている。階層が多く作れると過不足なく分類ができ、タイプの違うタスクをごちゃまぜにしなくて済んで見通しが良くなる。適切なアクセス権を付与し、思い通りに共有して運用することも簡単にできる。
それぞれの階層を役割をひとことで言うなら次の通り
- ワークスペース → 大規模な企業単位での分類
- スペース → 部門分け
- フォルダ → プロジェクトを目的別に分類する
- リスト → プロジェクトとほぼ同じ役割
- タスク → アクションを通して完了させていくやることの単位
- サブタスク → さらに細分化が必要だった場合の下位タスク
- チェックリスト → ON/OFFの機能のみを持つ項目
このうちフォルダは必須ではない。スペース直下にいきなりリストを作ることもできる。
サブタスクとチェックリストも必要に応じてタスクにぶら下げて活用でき、これも必須ではない。タスクの下にチェックリストを作ることもできる。
階層構造の詳細:『ClickUp』の機能詳細 – 階層構造ごとの特徴・使い方etc
なお、階層構造より簡易なラベリング機能としてタグ(Tags)も存在する。
10以上の多彩な視点「View」でタスクを確認できる
タスクをさまざまな視点で見るためのViewも10以上用意されている。それぞれ異なるレイアウトで、タスクを俯瞰できる。
- リスト → タスクを一覧する基本となるレイアウト
- ボード → Trelloのようなカンバン方式のレイアウト
- カレンダー → タスクをカレンダー表示するレイアウト
- マップ → タスクそれぞれに位置情報を持たせて一覧するレイアウト
- アクティビティ → 各タスクに対してどのような操作を行ったかを表示できるレイアウト
- ボックス → 各ユーザーがどのような項目に取り組んでいるか、作業負荷などを確認できるレイアウト
- ガントチャート → タスク同士の関連性とスケジュールを合わせて確認できるレイアウト
- マインドマップ → マインドマップ形式でタスクを閲覧できる。このレイアウトからでもタスクの作成ができる。
- テーブル → 整然とした表形式でタスクを一覧できる。複数のタスクへの一括処理も行いやすいレイアウト。
- タイムライン → 日/週/月それぞれにまたがったタスクを俯瞰しやすいレイアウト。
- ワークロード → ユーザー別にリソース配分・確認をするためのレイアウト。作業負荷の重い人が出ないようにして全体のスケジュールに影響が出ないよう配分できる。
それから、タスクを見るためのViewではないが
- チャット → Slackのチャンネルのようなチャットルーム
- ドキュメント → OneNoteのようなドキュメント
- 埋め込み → そのViewにiframeでWEBページを埋め込める
- フォーム → 入力フォームを作れる
というViewも用意されている。これらはリストやフォルダに対してくっつける拡張機能のようなもので、Viewという概念とはちょっと違うかもしれない。
ビューの詳細:『ClickUp』の機能詳細 – Viewの種類と特徴
カスタムステータスで進捗を実際のワークフローに合わせられる
これはClickUpを使う最大の利点だと断言できる。一般的なタスク管理ソフトではタスクの状態を未処理と処理済みのON/OFFとしてしか扱えないものが多いが、ClickUpではタスクのステータスを柔軟にカスタムでき、ほぼどんなワークフローにでも対応させられる。
それによって、「取り掛かり中」「連絡待ち」「レビュー中」「差し戻し中」「完了」など業務フローに合わせたステータス管理ができる。もちろん連絡待ちのタスクだけを抜き出して一覧することも可能。
カスタムステータスの詳細:『ClickUp』の機能詳細 – タスクのステータス
カスタムフィールドで業務に合わせたデータの保持が容易
こちらはフィールド内容(列)を増やせる機能。CRMとしてClickUpを使うなら電話番号やメールアドレスや位置情報などを。カスタムステータスとは異なるステータス管理をするためにドロップダウリスト付きのステータスにしたり、進捗を手動/自動入力するためのプログレスバーを追加することもできる。
これも非常に強力な機能で、カスタムステータスと合わせると大体の業務はClickUpで完結させることができる。
繰り返しタスクの設定が細かく、定期レビューにも対応している
定期的に行うタスクを自動で繰り返し(リカレンス)するように設定できる。日ごと、週ごと、月ごとだけではなく第三月曜日といったことも可能。
新しいタスクを作るか、同一タスクを再出現させるかも選べて後者ならタスク管理で最も重要とされる毎週の振り返り『レビュー』にもちょうどいい。
レビューには別ソフトのMylifeOrganizedがとても使いやすかったが、ClickUpも負けてない。こちらの利点としてはタスクに付与できる属性が多く、画像やコメントでのタイムラインが可能なこととドキュメントへリンクさせてより多くの情報をレビューできること。
繰り返しタスクについての詳細:『ClickUp』の繰り返しタスクの機能・設定・使い道
繰り返し機能とは別に、リマインダー機能も存在してこちらは別の活用方法があってどちらも利用価値が高い。
ドキュメント管理機能がありタスクと連携がとりやすい
ClickUpはOneNoteのようなドキュメント管理機能があり、1つのドキュメントに無制限でページを作ることができる。マークダウン形式の入力、文字装飾、画像や動画の貼り付け、ユーザーへのアサインやコメントなどタスクに近い多様な属性を付与できる。
ドキュメントからタスクへのリンクを張ることができ、リンクを張られたタスクからもドキュメントを参照することができる。
それによってタスクに書ききれない内容をドキュメントで補完したり、定期的に行うタスクのマニュアルをドキュメントで一元化したりできる。
考えたこと・相談した内容・会議の記録などのドキュメントからタスクを作成し、確実に実行する業務の流れが作れる。
OneNoteとも比較してみたが使い分けが有効だとの結論になった。
ドキュメントの詳細:『ClickUp』のドキュメント管理機能の使用・タスク連携・使い道
また、ドキュメント以外にも多数の長文入力欄がある。
All in Oneな多機能性があり、それぞれが連携している
タスク管理以外にもドキュメントやマインドマップといった多くの機能があり、それらがきちんと連携して生産性の向上という目的に向かうことができる。
各機能を個別にみるとその使い勝手は専用のアプリに及ばないが、ClickUp内で連携させることで必要十分な使いやすさを実現している。
連携について詳細:『ClickUp』の機能詳細 – 多機能性と各機能の連携について
入力導線が多く用意されており情報を一元化しやすい
ClickUpにタスクやドキュメントを入力する方法が多数用意されている。
- ブラウザ
- Win/Macアプリ
- モバイル
- ブラウザのアドオン
- アプリのツールチップ
- アレクサ/GoogleHome
- メールで
- 統合されたアプリ(Slackなど)から
- 最小化トレイから
お気に入りのリストやドキュメントをFavoriteとしてマークしておく機能があり、どの画面を見ていても1クリックでそれを表示させることができる。
入力導線の詳細:『ClickUp』の機能詳細 – タスクやドキュメントを作成する多くの方法
また、ClickUp外部からタスクを追加する機能としてForm(コンタクトフォーム)というものもある。WEBサイトの問い合わせフォームとして機能するので問い合わせ受付やレビューを集める用途にも使える。
フォームの詳細:ClickUp『問い合わせフォーム』を作りWordPressに設定する
アップデート頻度が高く、ユーザーの意見が反映されやすい姿勢を保持している
開発方針として、毎週新機能を追加すると明言している。Facebookユーザーグループもあり、cannyを使った機能リクエストやバグ報告も非常に活発で1万以上の書き込みがあって開発陣とCEOが日々やり取りしている。そして実際にそこから新機能や改善が実現している。
ポリシーや姿勢の詳細:『ClickUp』のアップデート頻度と姿勢・開発ポリシー
低価格かつシングルユーザーでも使いやすい仕様
ClickUpではアカウント作成時にワークスペースを作ることになるが、その時に多人数用かプライベート用か選択できる。プライベート用だと他社へのアサインなど不要な機能が最初から除外されていて、Asanaと異なりシングルユーザーを積極的に受け入れる方針であるようだ。
プランに関しても、フリープランは基本機能が無制限で使えて高度な機能は回数制限(100回など)があるが低頻度ならほぼ支障ない利用ができる。
有料プランも、年額なら500円/月か1000円/月程度とAsanaの1/2~1/3しかかからず機能対比で考えると非常にコストパフォーマンスが良い。一人からでもアップグレードできるというのもClickUpの大きな利点になっている。
価格体系の詳細:『ClickUp』の価格体系と特徴・シングルユーザー利用について
ゲストについて:ゲスト機能の詳細とゲストを招待する手順
ユーザーの役割:ユーザーロールについて
その他の機能
自動化処理:ClickUpの自動化機能Automationの概要とメリット・でメリット・使用法
通知について:ClickUpの通知の仕様 – 発生トリガーと通知チャネル・設定方法
タイムトラッキング:ClickUpのタイムトラッキング機能の概要及び統合可能な外部ツール
ポートフォリオ:ClickUpのPortfolio(ポートフォリオ)機能の概要
いまひとつなところ
ClickUpも完璧ではなく、今一つ使いづらかったり多ソフトに劣っている点が見受けられる。
少なからずバグがある
新機能の追加に重点を置いているからか、細かなバグが多数ある。エディタの操作上のものだったり、繰り返しタスクの実行直後の表示だったりコメントに関するものだったり。
ただ、これもアップデートのたびに大量に修正されているようだ。
日本語対応が未だ行われていない
日本語対応が行われておらず(リクエストはされている)、メニューやドキュメントはすべて英語であることを覚悟しなければならない。ただ、シンプルな英語なのでGoogle翻訳で問題なく使えるレベルである。
入力値として日本語を使う分には、ほぼ問題はない。タスクやドキュメントはもちろん、ステータス項目名にも日本語を入れることができた。
スマホアプリに不満が多い
あるにはあるが動作がやや緩慢で、時々フリーズする。文字が小さくて表示内容が多いのは良いことだが画面切り替えが常にひっかかった感じがあるのであまり頻繁に使おうとは思えないクオリティ。ユーザーコミュニティでもスマホアプリについてのバグ報告や機能リクエストが多々上がっている。
ただ、これも2020年12月に完全に新しくなったものがリリース予定と発表されているので、出たらすぐに使ってみようと思っている。
追記:2020年末に『ClickUp』最新版iOS/Androidモバイルアプリがリリースされたので直後から使い始め、2021/2月のClickUpモバイルアプリ・ロードマップが更新されていた[V3.2.3014]でかなり実用的なレベルにまでアップデートされている。
タスク管理ソフトとしてのClickUpをトータルで見ると
まだ開発途上と思える箇所は多々あるものの、ClickUpは多機能さとカスタマイズ性の高さで群を抜く使いやすさを持つタスク管理ソフトだと思う。長年使ってきたMylifeOrganizedやOneNote(の一部)もClickUpに移行しつつあり、やるべきことを俯瞰できて実行力まで上がった気さえする。Notionと比較したり価格比較してみたりもしたが、ClickUpのほうがピンとくる。
また、ClickUpの方針「生産性を向上させて週一日分の余暇を作り出す」もありがちな誇張メッセージではなく、本気で目指しているようだ。ウィークディが週5なら、120%の生産性向上になるということで、これはAsanaその他競合を置き去りにしそうな素晴らしいソフトウェアになる予感がする。