最高のオンラインストレージ『MEGA』の特徴・メリットとデメリット&便利な使い道について
最強のオンラインストレージはと問われれば『MEGA』だと躊躇なく答えられるが、Googleドライブ・Dropbox・Onedriveなどの有名どころと比べると知名度がとても低い。
とはいえ使わないのはもったいなさすぎるサービスなので、ここではMEGAの特徴やメリットデメリットを4年以上の利用歴とビジネスプラン・Proプラン・無料プランすべて使っている自分が紹介していく。
自分の目で確認したい人はMEGAのWEBサイトで。
オンラインストレージMEGA(メガ)のメリット
コストパフォーマンスが抜群にいい
- 無料で20GB以上
- 有料版はさらに大容量。しかも安い。
無料でも大容量
一般的に、他のオンラインストレージは2GB・5GB・10GB程度であることが多い。GoogleDriveは15GBと多めだが、GmailなどGoogleサービス含めての容量なので実際使えるのはもっと少なくなる。
MEGAは無料プランでも20GBあるうえ、アプリをインストールするだけという簡単な手順で特典として容量が増え、35GB~もの容量が使える。
有料版はさらに大容量&安い
20GBでは足りなくなった時も、有料プランが充実しているので安心して使い続けられる。400GBという絶妙なプランから始まって最大で16TB(最上位のビジネスプランは3アカウントからだが、容量実質無制限)。
個人向けストレージでこの16TBという容量は他社ではほとんど見ない。オンラインストレージの全データ引っ越しは大変時間のかかる作業(数週間以上)なので、今はデータ量が少なくても最初から大容量のサービスを選ぶほうが絶対にあとが楽になる。
ちなみに、MEGAの昔のプランでは200GB~8TBだったが最近容量が2倍に増えてこうなった。価格は据え置き。今後もさらなる容量増加があるかもしれない。
価格は円とユーロの為替レートで上下するため、最新の価格は念のためプランページで。
1ファイルあたりのサイズが無制限
MEGAは1ファイルあたりのファイルサイズの制限がない。プラン内に収まるサイズなら安全に保管してくれる。
高精細の動画を撮影すると、4GBや5GBになることはざらにある。他のオンラインストレージだとわざわざ分割してアップロードしなければならないが、MEGAだと10GBのファイルでも100GBでもそのまま保存できる。
UXが良く使いやすい
MEGAはシンプルな画面で操作のクセが無く、直感的に操作できる。
また、文字サイズやマージンが非常に適正なサイズ。たとえばBoxは行間がゆったりしすぎていて一覧性が損なわれているが、MEGAは一画面に表示されるファイルが多すぎず少なすぎず、一目で把握できる範囲が広い。
Boxの画面はこのようなイメージ
MEGAだとこうなり、同じ画面サイズなら2倍近いフォルダが一覧できる。
アプリもそろっている。Windows/Mac/Linuxのデスクトップアプリ、iOS/Androidのモバイルアプリはもちろん、HUAWEIのAppGalleryにも対応しているので、下記に書いたように、GMSが使えないファーウェイ機でもMEGAのネイティブアプリが使える。
また、ブラウザの拡張機能やNASのアドオンなどさまざまな場面からMEGAにアクセスできる。拡張機能はブラウザ版より操作が早く、動作が安定して早い。
他者とのファイル/フォルダ共有機能が充実している
MEGAは、自分以外のユーザーとの共有機能がとても充実している。
- MEGAアカウント所持者とのフォルダ単位の共有
- MEGAアカウント所持者とのフォルダ単位の共有
- アカウント非所持者とのフォルダ単位の共有
- アカウント非所持者とのファイル単位の共有
これらがすべて可能となっている。
フォルダを共有されたMEGAユーザーから見ても使いやすく、自アカウント内のフォルダと使い勝手がほとんど変わらない。そのため自分が有料プラン、家族は無料プランといったアカウント構成にしてストレージを分け与える感覚で使うこともできる。
たとえば「家族全員のフォルダ」「夫婦だけのフォルダ」を作り、共有してそのフォルダにすべてのファイルを集めるといった利用方法。こういった使い方をするならProLiteの400GBは価格・容量のバランスがよく理想的だと思う。
非MEGAユーザーとの共有も可能で、生成したファイルやフォルダへのURLを伝えてアクセスしてもらえるMEGAdrop(メガドロップ)という機能がある。有料プランだとファイルの公開終了日やパスワードも設定できて安全。
自デバイス間の同期機能も充実している
アプリが多数あるので、MEGAアカウントを取るとデスクトップやモバイルなどほとんどのデバイスにインストールするはず。
デスクトップアプリのMEGAsyncでは、PC側とクラウド側でフォルダを指定し同期をとることができる。アップロードの手間なく常にバックアップがとられている状態。
スマホで取った写真や動画を特定のフォルダに自動的にアップロードもすることもできる。Androidアプリだとプライマリとセカンダリの2種が設定でき、ギャラリーはMEGAのGarallyフォルダへ、スクリーンショットはMEGAのScreenshotフォルダへ、といった出し分けが行える。
付属の機能が多彩
オフラインファイル保存 ネット環境が無い場所に行くときや、頻繁に使うファイルはオフラインに保存しておける。1タップですぐ開け、転送量も節約できる。
世代管理 ファイルのバージョン管理ができ、間違って上書きしても元に戻せる
チャット・通話・ビデオ通話 MEGAプラットフォーム上で無料チャットや無料通話が行える。もちろんMEGAに保存した大きなファイルのやり取りも可能。
API連携 自作アプリやラズパイからMEGA内ファイルを操作できる。
ファイル転送速度のコントロール 管理画面からファイルの並列アップロード/ダウンロードの接続数の変更ができる
セキュアで安全
オンラインストレージで懸念点になりがちなセキュリティにも配慮されている。
- 2段階認証
- リカバリキー
- 管理画面からのセッション可視化
- エンドtoエンドの暗号化
- ソースコードの公開
- 定期的な透明性レポートの報告
など。MEGAは自らを「プライバシー企業」と言い切っているほど、顧客のプライバシーを守る姿勢がある。2段階認証はこのオーセンティケーターアプリに対応している。
MEGAのデメリット
いくつか、MEGAにもデメリットがあるので触れておくことにする。主なものはつぎの3点。
- 運営会社のイメージがよくない
- 1か月あたり転送量に制限がある
- 3か月放置でアカウント閉鎖される
イメージ MEGAは前身がMEGAUploadというアップローダーで、違法ダウンロードでよく使われていた経緯がある。創業者のキム・ドットコムも逮捕された。ただキム氏は創業1年でMEGAを離れており現在はタッチしていない。現在はユーザーのプライバシーにとても敏感な企業になっている。(”MEGAについて” の「MEGAの歴史」より)
転送量制限 プランのページにあるように、MEGAにはプランに応じた転送量が設定されている。ただ、これはスマホでいう高速通信と低速通信のようなもので、転送量を超えたとしても普通に使える。無料プランはそもそも低速通信のみ(ゆえに制限そのものが無い)だが、使っていて遅いと感じたことは4年間で一度もない。
ちなみに、この転送量は有料プランのランク別に1TB~16TBと設定されているが、年間プランにすることで一括で転送量が付与される。つまり1TB~16TB/月ではなくて12TB~192TB/年。一括付与なのでその月に使わなかった分の繰り越しを気にせずに済み、月によって大幅に使用量が変わるユーザーにとっても使い勝手がよい。
3か月放置でアカウント削除 まったく使わずアカウントを放置すると、3か月を超えた時点でメールで連絡が何度か来て、無視しつづけるとアカウントが削除される(こともある)。この削除基準についてはかなりおおらかに運営しているようで、放置しても必ずしも削除されるとはかぎらないらしい。とはいえいつかは削除されるだろうから、リマインダーアプリを使ったり手帳に印をつけたりメール受信したらログインするようにしたりすべき。
もちろん、有料プランだといくら放置しても削除はされない。というよりMEGAをメインのオンラインストレージにしてしまえば3か月放置などまずありえないので、3か月放置で削除される点もデメリットとまでは言えない。
MEGAを使うと便利なシーン
MEGAでお勧めの使い方は下記のとおり。
大容量の外付けドライブとして使う
他のオンラインストレージやローカルのNAS、USBハードディスクから乗り換える。もしくは並行して使う。併用することで停電、地震、ランサムウェアなどに強い環境が構築できる。
スマホのバックアップとして使う
スマホとの同期アプリが使いやすいのでバックアップ用ドライブとしてMEGAを使う。Amazonのクラウドドライブは写真は無制限だが、動画は5GBまでしか保存できず、それ以上だとMEGAに比べて割高な費用がかかる。AmazonDriveからの乗り換え先としてもMEGAは優位性がある。
また、Googlephotoが無制限じゃなくなったので15GBを超えると費用がかかる。MEGAだとほとんどの場合でGooglePhotoより安くなる(価格比較)。
家族や社内でのファイル共有スペースとして使う
共有機能が充実しているので、オンラインの共有スペースとして使い勝手がいい。チャットもビデオ通話も付いているのでセキュアな環境内でファイルのやり取りと会議・相談が完結できる。
社内外やチームとのファイルやり取りに使う
MEGAアカウントを持った社内ユーザーや、アカウントを持たないアウトソーサーとのやり取りもMEGAで簡単になる。
MEGAのメリットデメリットまとめ
いくつものオンラインストレージを並行して使ってきたが、MEGAに1本化して使い勝手が大きく上がった。PCからのデータ持ち出し、複数デバイスでの共有、ランサムウェア対策のバックアップ、社内外や家族友人との共同作業など。
MEGAは知名度こそあまりないものの、2014年から継続して成長しているので将来性も心配しなくてよさそうだ。ユーザーも2億人、ファイル数も1000億とBlogで公開されていた。
GoogleやMicrosoft、Droibox、Boxと比較しても特に劣っている点が見当たらない。無料でも有料でも大容量で、どのプランでも割安。アプリの使い勝手が良く、多機能。デメリットも精査すれば気にするレベルじゃないとすぐにわかるので、2021時点で最高のオンラインストレージだと断言できる。
MEGAのWEBサイト
MEGAは名称がシンプルなので他のサービスが検索でヒットするかもしれない。正規のページはこちら。
トップページ https://mega.nz/
アカウント作成(無料) https://mega.nz/register/