Fireworks代替候補のAffinityDesignerがアップデートして使い勝手がアップした
発売当初に『Affinity Designer(アフィニティデザイナー)』を購入しましたが、バグが多く動作も重めだったのでしばらく放置でした。
2019年にVer1.7にバージョンアップして、操作感がかなり良くなったと聞いて再度使い始めたところかなり優秀になっていたのでちょっとだけ触れておきます。
Affinity Designerとは
AffinityDesignerは、Serif社のグラフィックソフトウェアの一つで、高額なAdobeの代替候補として高い評価を得ています。
AffinityシリーズとしてDesigner、Photo、Publisherの3つがあり、発売されたのもこの順番。Publisherは2019に開発コードから「β」がはずれてきちんとラインナップに加わりました。
それぞれのソフトのポジションで近いものを挙げると、下記のようになります。
- DesignerはAdobe社のillustratorやCorel社のCorelDraw、
- PhotoはAdobe社のPhotoShop、Corel社のPaintShopProやPhotoImpact
- PublisherはAdobe社のInDesign
Adobe社の高額設定とサブスクリプションライセンスがどうにも好きになれなかった人間にとっては、CorelDrawやPhotoImpactの代わりの優良な選択肢になりえます。
2020年代に開発終了したFireWorksの代替にも適しています。FireWorksは(illustrator+Photoshop)÷2程度の業務範囲をカバーしていて、ベクター画像の扱いもレタッチもできるいいとこ取りの便利ソフト。プロのデザイン業務までは必要ないといったケースでよく使われていましたソフトです。
AffinityDesignerの使用したところ、感触としてはFireWorksに近いので、図形を描きインフォグラフィックを作り、加工した写真と組みあわせるなどの用途も問題なくこなせます。
Fireworksが苦手としていたDTP業務においてはFireWorksを超えてるのではとも思います。
いくつかの類似ソフトとの比較
Corel Draw
DrawはCorel社のメインイラストソフト。できることはイラストレーターに負けず劣らずだですが、いかんせん日本のユーザーが少なく情報を得るのに苦労するのが欠点です。
Drawは2019年版の価格が¥59184円でサブスクリプションだと¥1800/月。一方AffinityDesignerは買い切りで¥6000。10倍近い差があるのもつらいところ。
AffinityDesignerの動作はCorel社のDrawより安定している。それでいて似通っている部分もかなりあり、CorelDrawを起動する機会がめっきり減りました。
Gravit Designer
FireWorksの代替製品で調べると『Gravit Designer(グラビットデザイナー)』というソフトもあるようです。
こちらもよさげなソフトだとは思いますが、日本語対応はしておらず、ラインナップはサブスクリプションライセンス(年間¥5805)と、機能制限された無料版があるのみとややハードルが高いです。
一方のAffinityDesignerは日本語対応していて買い切りで¥6000とハードルが低い。
illustrator
プロユースの王道イラストソフトです。イラストレーションを生業にしていくならほぼこれ一択(シェア的に)かと思います。以前は10万近くするソフトでしたが、サブスク対応してある程度本格的にグラフィックを扱いたい学生でも気軽に手を出せるようになりました。単体使用だと月額¥2480。
https://www.adobe.com/jp/products/illustrator.html
AffinityDesignerのデメリット
Ver1.7になって操作上の不満はほとんどなくなりましたが、あえてあげると
- デフォルトでセットされているサンプルアイコンなどが少ない(ほぼ無い?)
- Androidでは使えない
これらの点が気になります
AffinityDesignerにはデフォルトのアイコンがほとんどなく、利用者がイチから作る必要があります。eDrawInfographickのように多くのアイコン・インフォグラフィックを内包していたりAdobeのようにストック系のフォトサービスと連携してたりすると、さらに便利になるのではと思いますが、製品自体が低価格なので別サービスとして有料で展開するようです。
コンテンツが必要な人は、Serifストアへ → https://affinity.serif.com/ja-jp/store/
なお、購入時に特典としてもらったサンプルファイルがありました。完全に忘れていたのでついでに紹介しておきます。
これは特典の一つBlog用サンプルファイル▼
▼ボタンサンプル。
また、AffinityDesignerのラインナップは2019/7月時点でWindows・Mac・ipad版の3種のみです。Android版・WEB版のリリースにも期待して待ちたいと思います。
Affinity Designerのメリット
- プロユースに使えるポテンシャルがある
- illustratorとPhotoShopのいいとこどりだったFireWorks代替になりうる
- ai形式のファイルが開ける
- ipad版が高機能
- 開発が精力的に続いている
- Designer-Photo-Publisherが相互に関連している
- 買い切りで安い(Win/Mac各¥6000)、ipadは¥2400
なんといってもillustratorとPhotoShopのいいとこどりだったFireWorks代替できそうだという点が魅力的です。aiファイルが開けるので外部デザイナーにアウトソースしたファイルも無駄にならず、簡単な修正ならこちらでやってしまえるところもメリットです。
現在でも開発継続されていて、終了する気配もないので当面は安心して使い続けられそうです。
ちなみにipad版はかなり高機能、ほぼPCと同じことができます。ipadで絵を描く→クラウドドライブに保存→PCで仕上げがスムーズに完結できるので使いこなせれば強力な武器になるでしょう。
Affinity Designerが向いている人
- 趣味のデザイナー
- ECサイトの画像作成がしたい人
- 自社内である程度のデザインを作ってしまいたい中小企業
- FireWorksの代替になるソフトを探している人
なんかには最もおすすめです。機能的に中小レベルのデザインワークには十分すぎるほどで、社員分買ってもよい低価格です。家庭でデザイン習得目的に使うにもこのUIと低価格さであれば買って損はないと思います。
また、FireWorksをまだ使用している人もいると思いますが、そろそろ動作が不安定になってきたはずです。起動するもののメニューが正常に表示されないといった現象も起こっています。
これ以上FWで作ったファイルが増えるのもリソースの使い捨てになる可能性が高く、Adobeにサブスクリプションを払い続けるか乗り換えかの判断は早めにしたほうがよいと思います。
リンク先
公式サイト https://affinity.serif.com/ja-jp
Facebookページ https://www.facebook.com/affinitybyserif