NASからクラウドドライブへの移行を検討『Dropbox・GoogleWorkspace・Box比較』
いくつかの理由から、ずっと使ってきたNASからクラウドドライブへの移行を検討しだした。ある程度フィルタして比較対象として残ったのがDropbox・GoogleWorkspace(GoogleDrive)・Boxの3サービス。
NASのメリット&クラウドドライブのデメリット
今までNAS(その前はファイルサーバ)を使ってきた最大の理由はクラウドドライブが無かったこともあるが、ランニングコストが安いという点が重要だったから。イニシャルコストは30万ほどかかったが、その後は毎月の電気代程度しかかからない。
NASはローカルにあるためファイルアクセスが早い。GBクラス大容量の動画でもほぼ瞬時に再生が始まる。
NASはアカウント数が利用者数に影響されない。DBサーバから参照しようが自動処理用のPCからアクセスしようが追加費用は必要ない。
NASの継続が難しくなってきた事情
ただ、便利だったNASも徐々にデメリットが目立つようになってきた。
具体的には、
- バックアップのリビルド時間が伸びてきた HDDが故障するたびに取り換えてリビルド。手間暇は大したことないがリビルド時間が地味にこたえる。30時間以上かかるので連休中ぐらいにしか行えない。
- 不正アクセスが活発化・高度化してきた ランサムウェアに代表される不正アクセス手法が高度化し、頻繁にOSのバージョンアップが必要に。NAS内アプリの学習コストも負担になってくる。
- NAS自体の速度が遅くなってきた 容量が増えたためか断片化したからか、フォルダを開くのに何十秒かかかることもある。
- 管理手間がばかにならない バックアップ、アプリの操作、故障対応、アップデートなどトータルでかける時間が徐々に増え負担になってきた。
クラウドドライブのメリット
これに対してクラウドドライブのメリットは下記の通り。
- NASよりセキュアである
- バックアップがほぼ完ぺき
- 管理コストがかからない
- 容量の制限がない
各サービス個別のメリット
検討中の3サービスはファイルサーバとしての機能は似たり寄ったりだが、+αの部分で差があった。
Dropbox
DropboxにはPaperというアプリがある。共同作業スペースが出来る機能で、いまトレンドのNotionに似た機能。
現在開発中でベータ版だがDropbox Passwordsというパスワード管理アプリが無料で使えるのもメリット。ベータ版に申し込んで試してみたところ、必要最小限の機能だがパスワード管理・共有・自動保存など基本的な機能は備えていた。
また、Dropboxは操作が簡単で学習コストがかからないというのもメリットといえる。
GoogleWorkspace
GoogleDriveを内包するGoogleWorkspaveはファイルサーバ以外の機能が豊富なのが最大のメリット。
- メーラー
- フォト
- チャット
- SNS
- 社内ポータル
などが使える。Notionともデフォルトで連携している。
Google母体なので検索に強く、メーラーとファイルサーバ合わせて検索できる
ただ、個人的な理由だがGoogleのUXはあまり好きではない。
box
セキュリティで一目置かれるクラウドドライブのBox。
Boxには「コレクション」というユーザーごとに持つお気に入り機能があり、1つのコレクションに対して複数のファイルとフォルダをクリップできる。
コレクション自体も複数作成できるので、膨大なファイルサーバのディレクトリに対してショートカット集を作成し、業務時間を短縮できる。
BoxNotesというメモアプリとタスク管理機能がある。NotesはDropbox Paperに似た共同作業スペースで、タスク管理はファイルに対してユーザーにメンションしたタスクを付加できる。どちらもあまり洗練されているとはいいがたいが、これから使い勝手がよくなるかもしれない。
結論としては、Box
この3つのクラウドドライブは、どれもメリットがあった。他の選択肢が無ければどれを使っても特に不満には感じなかったと思う。
結論としては、Boxを使用することにした。
最大の理由は、現在NASで容量の節約をしながらもほぼ4TB使用しておりファイルの取捨選択の手間を省きたかったことが挙がる。
今後動画を保存していく機会が増えそうであることから容量無制限のプランで考えた場合Boxが最も割安であることも大きい。
- Dropbox¥2000/人月
- GoogleWorkspace¥2040/人月
- Box¥1800/人月
加えて、ファイルサーバとしての機能以外に何が最も活用できそうかと考えると(Googleサービスも捨てがたかったが)、Boxのコレクション機能が最も省力化に役立ちそうだと結論に達した。
あとはクラウドドライブをさらに社内にバックアップする必要があるかという点が要検討事項に挙げられる。
手間が増えリスクも大きくなり費用もかかるが、データすべてをクラウドドライブに預けて万一があれば廃業するリスクをかぶることができるのか。その点で安心感をどう担保するかが悩ましい。