EnvatoのThemeforestで購入したWordPressテーマのライセンスについての確認・まとめ

FAQsやライセンス条項を見てもいまひとつはっきりしないEnvatoのWordPressテーマのライセンス。公式とテーマ作成者両方に確認したので、まとめる。
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Envatoの回答・公式見解

まずプラットフォームであるEnvatoはどのようなルールにしているのか。サポートにStandardライセンスについて問い合わせてみた。もらった回答を端的に3行で言うならば

  • WordPressのマルチサイト機能で作るなら1ライセンスでよい
  • Envatoのライセンス条項はガイドラインであり法的拘束力はない
  • 最終製品(後述)ごとに1つのライセンスが必要である

となる。

各回答を解説

これだけではあんまりなので、少し解説と補足をしておきます。

WordPressのマルチサイト機能で作るなら1ライセンスでよい

マルチサイトとはWordPressの機能のひとつで、複数のサイトを統合して管理するためのもの。「この機能を使ってサイトを作るのなら複数サイトにテーマを利用してもよい」というのがEnvatoの回答。

ただし、同一のユーザーが管理する同一ドメイン内のサイトであることが条件になる。

たとえば test.com と test.jp の場合はドメインが異なるので不可。

Envatoのライセンス条項はガイドラインであり法的拘束力はない

Envatoのライセンスによって明確に許可されているのは、前述のWordpressマルチサイト機能によるもののみ、らしい。それ以外のルールについては「”最終製品”ごとにライセンスが必要」とだけガイドラインとして規定している。

そして何をもって最終製品とみなすかはテーマ作成者によるとのこと。

最終製品ごとに1つのライセンスが必要

何を最終製品として扱うのかはテーマ作成者の自由らしい。ライセンスについておおらかな作成者もいれば厳格な作成者もいる。ゆえに、最終製品とはなんなのか?について一律の解は存在せず、作成者次第。

現実問題として、テーマ購入者が迷うことになるのは、おそらく次の3つのケースだと思う。

  • 同一サイトのサブディレクトリに異なるWordPressをインストール
  • 同一サイトのサブドメインに異なるWordPressをインストール
  • 開発環境と本番環境で異なるWordPressをインストール

サブディレクトリ/サブドメインは、同一サイトでコンテンツ分けのためにWordPressも別にするケースを想定している。たとえば、企業サイト www.company.com のコミュニティ系コンテンツとして forum.company.com があるケース。または startup.net の社長ブログ・開発ブログとして startup.net/ceo/ や startup.net/dev/ があるケース。個人ブログで日記と趣味に分けて personal.com/diary/ と personal.com/catlife/ を設ける場合もありえる。開発環境を別に用意する場合は多いはずで、kaihatsu.com で開発をして本番は honban.com にて公開するなど。

このような場合に、Standardライセンス1つでテーマを各サイトにインストールしてよいのか? この疑問について、それぞれのテーマ作成者はどのように解釈しているのか。

回答の手間をかけさせることになるので、実際に購入したテーマの作成者にのみ連絡して、返事をもらったところ、三者三様の回答が返ってきた。

作成者によって異なるライセンスの設定

連絡したのは5社(者)。「StandardLicenseを1つ買って、サブドメインORサブディレクトリOR開発環境に異なるWordPressを入れ、各環境にテーマをインストールすることは可能か?」と連絡しました。

  1. Egemenerd(Theme:MAGINE等) Egemenerdは、サブドメイン・サブディレクトリ・開発環境いずれにインストールしても可、との回答をしてくれた。今回訪ねた中では最もゆるやかなライセンスだ。
  2. tagDiv(Theme:NEWSPAPER等) マガジンタイプのブログ鉄板といえるNEWSPAPERテーマを作成しているtagDivは、サブドメインで開発環境を構築する場合のみOKとのこと。
  3. ThemeRuby(Theme:Pixwell等) ポップなマガジンテーマを開発しているThemeRubyは、サブドメインで多言語対応する場合のみOKだった。test.com/ja/ と test.com/en/ で言語を分けるためにWordPressも別にするようなケース。
  4. trippleS(Theme:DigiQole等)ヴィヴィッドでポップなマガジンテーマのtrippleS。ここはいずれの場合も不可だった。サブディレクトリでコンテンツ分けをするのであれ、開発環境を構築するのであれ、新たにテーマを購入することが必要だ。
  5. codesupplyco(Theme:Authentic等) こちらもtrippleS同様、いずれの場合も新たにテーマを購入する必要があるとのこと。

確認した5社のうち、無条件に許可をくれたのは1社、全ケースで不可だったのが2社、あとの2社はコンテンツの内容によって条件付きで認めるというスタンスをとっていた。

EnvatoのWordPressテーマのライセンス・結論

結論のみを端的に言えば、このようになる。

  • WordPressマルチサイト機能を使って同一ユーザーが同一ドメイン内で複数サイトを運営するなら、Standardライセンス1つで各WordPressにインストールして構わない。
  • それ以外の利用法はテーマ作成者によって許可範囲が異なるので個別に連絡をとり、確認が必要。

個人的には、「あらゆる状況でインストールごとにライセンスが必要」と最も厳格なライセンスを適用されていても特に不満はない。Envatoで売られているテーマは高品質かつデザイン性に優れていて、価格もわずか$20~$60程度の破格といえる安さ。複数購入しても¥15000~¥20000の日本製テーマを買うより安くなるのだから。

Envatoのライセンス関連URL 参考リンク

購入物をキャンセル、返金、払い戻しする方法

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