【感想】『ノーサイド・ゲーム』池井戸潤 W杯前にこそ読みたいラグビー題材のビジネス×企業スポーツ小説

日本開催のラグビーワールドカップ2019を控えた今、ぜひ読みたかった本がこれ。

ラグビーは見たこともプレイしたこともルールさえ知らない全く素人ですが、RWC前にラグビー世界のリアルな空気感を知りたくて手に取りました。

もちろん小説好きだったという理由もあるんですが。

全402ページで、そこそこの分量があるはずなのに、ノンストップですらすらと読み切れました。王道の展開をラグビーというテイストに絡めても読みやすいのはさすが池井戸氏です。

ビジネス小説好きはもちろん、ラグビーファンや僕のようにワールドカップをより一層楽しみたいライトユーザーまで、広くお勧めできます。

『ノーサイド・ゲーム』、著者は池井戸潤氏。

江戸川乱歩省、吉川英治文学新人賞 直木賞を受賞している人気作家ですね。

おなじみの『半沢直樹シリーズ』『下町ロケット』『花咲舞が黙ってない』他、ドラマ化されている作品も数多くあります。

そして本書の『ノーサイド・ゲーム』は、そのタイトルが表す通り、ラグビーが題材。それも知名度的には少々マイナーな企業スポーツの社会人ラグビーで、自動車メーカーの経営戦略室・君島隼人(きみしまはやと)が妨害や思惑に翻弄されながらも社会人ラグビーチームの立て直しに奔走する小説です。

未来につながる、パスがある。

大手自動車メーカー・常盤自動車のエリート社員だった君島隼人は、とある大型買収案件に異を唱えた結果、横浜工場の総務部長に左遷させられ、同社ラグビー部アストロズンのゼネラルマネージャーを兼務することに。
かつて強豪として鳴らしたアストロズも、いまは成績不振にあえぎ、鳴かず飛ばず。巨額の赤字を垂れ流していた。
アストロズを再生せよー。
ラグビーに関して何の知識も経験もない、ずぶの素人である君島が、お荷物社会人ラグビーチームの再建に挑む。
-『ノーサイド・ゲーム』帯より

主人公君島隼人も、その敵役の〇〇も、そしてカギを握る□□も、自分がどの立場にいると想像してみても立場に縛られ思うままに行動できないもどかしさや口惜しさがすごく共感できてしまいます。

誰が悪いわけでもないのに、敵対する(悪人もいるけど)。そして人はみんな自分の立場からしか想像できずに思いは伝わらなず相手を理解できない・・・。

フィクションでありながら、サラリーマンあるあるすぎます。

そしておそらくラガーマンにとっても納得であろうこのディテールの細かさ。章立てがファーストハーフ-ハーフタイム-セカンドハーフとなっているのもラグビー的。そして物語がノーサイドゲームのタイトルに収斂していく。

ラグビーに興味が無くてもするする読めて、本としての楽しみを感じつつラグビーの熱さやその気高さも感じられ、ワールドカップがますます楽しみになる1冊でした。

途中にラグビー用語がちょこちょこ出てきますが、知らなくても全然大丈夫です。

ただ、ラインアウト・コンテキスト・ノックオン・・・ こういったラグビー用語が分からない人は、ルールブック片手に読むと、より一層シーンが目に浮かんで楽しめるでしょう。

僕がノーサイドゲームと合わせて読んだのはこれ『観戦&プレーで役に立つ!ラグビーのルール』。見開き2ページで一つの要素がすごくわかりやすく解説してあります。ラグビーの基礎用語からルール、戦術、レフェリーからセブンズ(7人制ラグビー)までこれ1冊でラグビーの基礎知識はバッチリ手に入る。

単行本サイズで試合場にも持ってきやすいのでおススメです。

僕がノーサイド・ゲームと合わせて読んだのはコレ↓なんですが、

2019/8/20に改訂版が出るので、急がない人はこちらがおすすめ↓W杯にも間に合います

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